みなさん、こんにちは。

最近は本当に便利な世の中になりました。スマートフォンひとつあれば、知らない国の言葉もあっという間に翻訳できてしまう時代です。

AI翻訳の技術、私もニュースで見るたびに驚かされています。でも、長年この世界で言葉と向き合ってきた私からすると、便利さの裏側に「ちょっとした落とし穴」が隠れているのを感じることがあります。

今日は、実際に私が見聞きした現場での失敗談を交えながら、AI翻訳の難しさと、私たち人間が翻訳することの意味について、少しお話しさせてください。

「トビ」が空を飛ぶ?専門用語翻訳の落とし穴

専門的な業界での翻訳には、危険が伴う間違いも起こります。特に建設や工業の分野には、日本独特の用語がたくさんあり、技能検定のテキストの翻訳を任せていただくこともあります。

専門用語の翻訳は本当に難しく、足場を組んだり高所作業を行ったりする職人さん、いわゆる「鳶(トビ)」についてのAI翻訳では間違いがありました。

職人さんが「Fly」になってしまった!


AI翻訳の結果を見て、私は思わず目を疑いました。なんと、「鳶(トビ)」が「Fly(飛ぶ)」と翻訳されていたのです。

確かに「鳶」は鳥のトビを指すこともありますし、空を飛ぶイメージもあります。でも、建設現場のマニュアルで「ここでFlyしてください」なんて書かれていたらどうでしょう?

「ここで飛べってこと? 危ないじゃないか!」と、海外の作業員さんが大混乱してしまいますよね。

専門用語は「辞書」通りにはいかない。

他にも、建設現場独特の言い回しや略語は山ほどあります。これらは、単に辞書にある言葉を当てはめればいいというものではありません。

「この文脈で使われているこの言葉は、この職種のことを指している」という、業界の背景知識がないと正しく訳せないのです。

まとめ:大事な場面は、人の手で確認を

もちろん、AI翻訳を否定するつもりはありません。旅行先で看板を読んだり、大まかな意味を知りたい時には、本当に便利で素晴らしい技術です。スピードも速い。

でも、ビジネスの契約書、安全に関わるマニュアル、そして大切なお客様への報告書。「失敗が許されない場面」や「相手への敬意を伝えたい場面」では、やはり人の手による翻訳が必要だと、私は強く信じています。

言葉の向こうにある「信頼」をつなぐために

AIはデータを翻訳しますが、私たちは信頼を翻訳しています。

  • 「この表現で相手は不快にならないかな?」
  • 「この専門用語は、現場のあの人たちに通じるかな?」

そんなふうに、相手の顔を思い浮かべながら言葉を紡ぐことができるのは、やはり人間だけ。

もし、AI翻訳を使っていて「あれ、これ大丈夫かな?」と不安に思うことがあったら、いつでも私たちに相談してください。