
会議室で起きた、ささいな「時間のズレ」
真夏の8月。スペインの出版社代理店ホセマリアさんとの初めての対面会議は、午前10時開始の予定でした。
日本では、約束の15分前から待機し、資料を完璧に整えるのが一般的です。しかし10時5分、慌てた様子の日本人スタッフに続いて、一人の外国籍の方が会議室に入室されました。それがホセマリアさんでした。
「せっかくの来日なのに、遅刻…」 「この数分のズレで、取引の印象が悪くならないかな?」
こうしたささいな時間の感覚の違いが、初めてのビジネス関係において、不安や誤解を生むことは少なくありません。
日本の「時間の感覚」:それは相手への心遣い
日本のビジネス文化では、会議や約束の時間は「定刻よりも少し早め」に到着し、準備を整えて待つことが、相手への配慮と礼儀だとされています。
- 10時開始 → 9時50分〜9時55分には着席
この習慣は、相手を待たせることなく、スムーズに会議を始めたいという「おもてなし」の心から来ていますよね。
海外の「時間の感覚」:悪意ではない理由
一方、ホセマリアさんのようなスペインをはじめとするラテン文化圏や、一部の欧米諸国では、時間の捉え方が少し異なります。
彼らにとっての「10時開始」は、文字通り「10時ちょうどから始めましょう」という意味です。交通事情などで数分の遅れが出ても、それは「許容範囲」であり、失礼には当たらないと考える文化が多いのです。
ホセマリアさんが入室時に少し慌てていたのは、日本のマナーを気遣ってくれたからかもしれません。彼の5分遅れは、決して「やる気がない」とか「取引を軽視している」という悪意から来たものではないことを理解することが大切です。
私たちが架け橋になる理由:「文化の文脈」を翻訳する

言語が通じることと、文化が通じることは、時に大きく異なります。
もし、この「5分のズレ」がお互いのビジネス観の違いとして捉えられてしまったら、せっかくの良い取引もスムーズに進まなくなってしまいます。
当社の通訳翻訳サービスは、単に言葉を訳すだけでなく、ホセマリアさんのようなビジネスパーソンの**「文化の背景」や「行動の意図」**を理解し、お互いが気持ちよく取引を進められるようサポートします。
- 遅刻 → 文化の違いとして日本の皆様に丁寧にフォロー
- 日本側の待機 → おもてなしの気持ちとして海外の皆様に翻訳し説明
私たちは、この小さな文化の違いから生まれる誤解を未然に防ぎ、お客様のビジネスがスムーズに進むよう、心を込めてお手伝いさせていただきます。